1月の本は、大豊作でした。どれが一位か、決めかねるほどの良作揃いで嬉しい読書月でした。
中でも抜きんでいたのが
「あやつられ文楽鑑賞」三浦しをん
「火のみち」(上下巻)乃南アサ
「きのね(上下巻)」宮尾登美子
です。
三浦しをんは、文楽の世界を舞台にした小説も書いていたので
(今、文楽が、三浦さんのブームなんだな)
くらいに思ってましたが、予想していたよりもずっとどっぷりと文楽の世界にはまっ
ておいでのようで、文楽の世界の不思議な風習、作品への愛ある突っ込み、人間国宝
の舞台での恐れを知らぬ居眠り体験等、爆笑しつつ、しかも最後は泣けました。
すばらしい文章があったので、引用します。
文楽の魅力にはまってしまい、劇場通いを繰り返す著者。
遠征などによる時間的・金銭的な打撃を嘆いた後の一文です。
「文楽の世界はあまりにも深く、次々に魅力的な面を見せるので、引き返すタイミン
グがわからない。最近ではずぶずぶと底なし沼にはまっている感があり、もう引き返
すことなど無理だと悟った。いいんだ、きれいな蓮の花が咲いている沼だから」
深く共感しました。
あっぱれ、観劇オタの心意気。
劇場通いはこうでなくては!
「火のみち」は最初は「シャボン玉」系の贖罪ものなのかな、と思っていましたが、
途中から大迫力の芸術家小説になります。
陶芸が好きな方は読んで損なし。
ある家族を題材に描いた昭和史的な側面もあり、上下2巻の物語ながら、あっという
間に読めてしまいます。
「きのね」は、灰皿テキーラの市川海老蔵の、祖父母の話。
といっても、あまりに赤裸々に綴られたためか、モデルとしての許可を市川家ではO
Kしていないんだとか・・・?
名高い11代目市川団十郎のDVエピソードが満載の、共感は難しいけれど読む分に
は面白い波乱万丈系の小説でした。
他に、歌舞伎関係の評伝をいくつか読みましたが、中川右介の「團十郎と歌右衛門」
という評伝が面白さでいうと最高級でした。
最初は、六代目歌右衛門と11代団十郎に材をとった女性週刊誌的なアプローチの、
歌舞伎界の知られざる人間関係内幕もの、かと思って読んでいました。
何しろ、実在の歌舞伎俳優さんのことが「彼は男と駆け落ちをした」「彼には同性の
恋人がいた」「当時、彼は女形と付き合っていた」などとビシバシ暴露されていて、
「え?あの人も?」と、ドキドキしながら読み進めます。
著名な歌舞伎役者の芸談プラス私生活情報・・・かとおもいきや。
後半、まるで上質のサイコサスペンスを読んでいるかのような手に汗握る展開にな
り、読後、しばし、呆然。
歌舞伎が好きな方で、ホラーっぽい実録ものがお好きな方、男色系のエピソードが苦
手でない方には、強く読むことをお勧めします。
1月で16冊。
面白い本ばかりで充実した読書を楽しめました。












